白鳥大橋(観光スポットの橋 日本編 その2)
前回は、観光で見る橋を人気の1位から10位までの橋を中心に記してみましたが、続いて11位以下も見てみましょう。
11~20位のラインナップを見てみると、広島県尾道市の生口島と愛媛県今治市の大三島を繋ぐ『多々羅大橋』、神戸市と淡路市を結ぶ世界最長の吊り橋である『明石海峡大橋』、映像で見る機会の多い『レインボーブリッジ』、そして、愛媛県今治市、瀬戸内海の来島海峡を跨いで大島と四国を結ぶ長大橋の『来島海峡大橋』と平成生まれの吊橋(斜張橋1橋を含む)4橋が目を引きます。その壮大で優美かつシンボリックな姿が多くの人を魅了するのだと思いますが、とりわけ、レインボーブリッジは、映画の『ゴジラシリーズ』や『踊る大捜査線』でもお馴染みになり、すっかり首都東京のシンボルとして定着した感があります。ちなみに、『レインボーブリッジ』は公募で決定した愛称。正式名称は『東京港連絡橋』ですが、どうも雰囲気が伝わらないですよね。今更ながら名前って大事ですね。
白鳥大橋
白鳥大橋のライトアップ
しかし、名前のエレガントさで言えば、わが北海道は室蘭の『白鳥大橋』も“レインボー”に引けを取らないでしょう。明治初期に日本各地を旅した英国人旅行作家イザベラ・バード女史が『奥地日本紀行』で「この湾の美しさは何者にもひけを取らない」と絶賛した室蘭港(白鳥湾)を跨ぐ東日本最長の吊橋です。ちなみに白鳥が飛来することから白鳥湾と名付けられたこの入り江、明治後期以降、「鉄のまち」を支える工業港に変貌してからは、すっかり白鳥には嫌われてしまったようですが、白鳥大橋が開通してから観光客には人気で、開通初年の平成10年度には、室蘭市全体の観光入込客は前年度の8割以上も増加、開通効果も薄れた近年は低減傾向ではありますが、地球岬と並ぶ室蘭市を代表する観光スポットとして定着しています。そして、ここにもちょっとロマンチックな伝説が生まれ、「カップルで渡ると一生結ばれる」と言われているとのこと。そのいわれは、一説によれば「橋の近くの手作りショップでペアリングを作って橋を渡った男女が絆を深めて結ばれた、という噂が広まり、各地から恋人同士が集まるようになった」とか。手作りショップの情報操作では?という穿った見方も出来そうですが、真偽のほどは定かではありません。
さて、『口コミランキング』を概観してきましたが、何が橋の人気を左右するのかを考えてみましょう。橋からの眺望、橋自体の美しさと周辺風景との調和、歴史性といったところがポイントになりそうですが、ゆらゆら揺れる狭い足場の吊り橋でのスリル満点体験とか、大雨が降れば橋桁が水没してしまう高知・四万十川の『岩間沈下橋』といった珍しい橋も人気を集めたりしています。橋の魅力って様々なんですね。
というわけで、あなたの町でも身近なところに光が当てられる橋がないか見回してみませんか?もしかしたら、物語を紡げる意外な掘り出し物が埋もれているかもしれませんよ! (N.K)