季節ごとに表情を変えるこの橋の風景は、秋が深まる時期がとりわけ劇的だ。大雪の山々の頂に雪が降り始めるころ、三国峠周辺の木々も日毎に彩りを深め、冷涼な空気がその色合いを一段と引き締めていく。大自然が織りなす舞台の中で緩やかにS字カーブを描く松見大橋。その少し北側にある深緑橋からの眺望は格別だ。
上川と十勝をつなぐ峠越えの道は大正時代から実現が望まれ、建設計画が策定されたものの、その時は戦争の影響で中止されたという。戦後、森林資源の開発などを目的に十勝側で林道が拓かれ、昭和30年代には深い樹海を貫く本格的な道路建設が層雲峡側からも進んだ。峡谷を越え、山を穿ち、北海道の屋根と言われる大雪山系の東側を走る「天空の道」。この松見大橋は1988(昭和63)年に竣工している。